RAPSTAR ARCHIVE — SEASON 8
RAPSTAR
2025
応募総数は過去最多の6,780人。その頂点に立ったのは、一度落とされた茨城の19歳だった。
王者
Pxrge Trxxxper
Rep
茨城・下妻
応募
6,780人(過去最多)
決勝
2025年12月13日
会場
京王アリーナTOKYO(「STARZ 2025」内)
結果
敗者復活からの優勝
6,780分の1。
大会の流れ — 応募から決勝まで
応募
応募総数6,780人はシリーズ過去最多。課題ビートはChaki Zulu、KM、STUTS、SLICK、Homunculu$、Noshが提供した。
AREA TRIAL / SELECTION CYPHER
動画審査の通過者が、ライブ形式のAREA TRIALとマイクリレー形式のSELECTION CYPHERでふるいにかけられていく。
HOOD STAGE
地元密着の映像と新曲で審査するHOOD STAGEを通過したのは、sh1t、Pxrge Trxxxper、Alif Wolf、27AM、VERRY SMoL、Masato Hayashi、Sonsi、3Li¥enの8名。
RAPSTAR CAMP
課題ビートで24時間以内に新曲を作る1対1のバトル。勝者4名と、敗者の中から復活した1名——Pxrge Trxxxper——がFINALSへ。
FINALS
12月13日、京王アリーナTOKYOのヒップホップイベント「STARZ 2025」内で決着。持ち時間10分以内に3曲以上、RAPSTARビートを使用、オリジナル曲は1曲まで、というルールで争われた。
記録 — 何が起きたか
2017年の第1回から数えて8度目の大会。応募総数6,780人は前回の5,785人を更新するシリーズ過去最多で、決勝「FINALS」は12月13日、京王アリーナTOKYOで開催されたヒップホップイベント「STARZ 2025」の中で行われた。ステージにはKohjiya、C.O.S.A.、eyden、IO、Jin Dogg、kZm、MIKADO、Watson、¥ellow Bucksらが出演——歴代の王者も、かつて動画審査で落ちた男も、同じ日のラインナップに並んだ。
優勝は茨城県下妻市出身・19歳のPxrge Trxxxper。RAPSTAR CAMPで一度敗れ、敗者復活からFINALSに滑り込み、「REVENGE」のパフォーマンスで頂点まで登り返した。2023年のShowyVICTORに続く、番組史上2人目の敗者復活王者。審査員はBenjazzy、kZm、OMSB、R-指定、SEEDA、ZOT on the WAVEの6名だった。
- 放送
- 2025年9月20日〜、毎週土曜22:00にABEMAで放送
- Judges
- Benjazzy、kZm、OMSB、R-指定(4回目)、SEEDA(7回目)、ZOT on the WAVE
- Finalists
- Masato Hayashi、Sonsi、VERRY SMoL、sh1t、Pxrge Trxxxper(敗者復活)
- Staff
- オーガナイザー: RYUZO / 進行: 屋敷裕政(ニューヨーク)
- Prize
- 活動資金300万円
名場面 — この回を語るなら
REVENGE——曲名がそのまま結末になった
一度落とされた19歳が、復活の切符で戻ってきて、「REVENGE」という曲で優勝する。ドリルビートに乗せた鬼気迫るパフォーマンスは、優勝後にTHE FIRST TAKEで一発撮りされ、番組を見ていなかった層にまで届いた。
NOOFFSEASON、総出のステージ
決勝の夜、審査員Benjazzyの「NOOFFSEASON」を出演者総出で披露する一幕があった。審査する側とされる側が同じマイクを回す——この番組が9年かけて作った生態系の縮図のような瞬間だった。
前年王者が場を温める
ファイナル直前、前年王者のKohjiyaが新曲を披露してアリーナの温度を上げた。王者の「その後」を見せてから次の王者を決める構成は、優勝がゴールではなく入口であることの宣言でもある。
この回から生まれた楽曲
REVENGE — Pxrge Trxxxper
決勝で披露された優勝曲。2026年1月にTHE FIRST TAKE初登場で一発撮り、同月末に配信リリースされた。
HIROYUKI — Masato Hayashi
2位のMasato Hayashiが決勝関連曲として2026年1月に配信リリース。
批評 — シーンに何を残したか
6,780という数字をまず直視したい。2020年の応募は1,416人——5年で約4.8倍だ。この爆発は、番組が「ラッパーになるための正規の入口」として制度化されたことを意味する。かつてデモテープをレーベルに送っていた行為が、いまはビートに動画一本で応えることに置き換わった。入口が広がったことは祝福すべきだが、同時に「動画一本で人生が変わる」という宝くじ的な期待の膨張でもあり、6,779人の落選者に番組が何を残せるかという問いは年々重くなっている。
史上2人目の敗者復活王者という結果は、両義的に読むべきだ。一度死んだ者の帰還は最高のドラマであり、視聴体験としてこの回は文句なしに面白かった。だが敗者復活が2度も頂点を獲ると、それは「制度が物語を生んでいる」のか「物語のために制度が調整されている」のか、境界が曖昧になる。本戦の一発勝負より、負けてからの巻き返しの方が評価される構造は、審査の思想そのものへの問いでもある。
審査員席の顔ぶれにも注目したい。BAD HOPのBenjazzy、YENTOWNのkZm、SIMI LABのOMSB——クルー文化の最前線と、R-指定・SEEDAという批評性の強い書き手が同席する構成は、「バズ」と「テキスト」の両輪で審査するという意思表示だ。ShowyVICTORと同じ茨城から2人目の王者が出た符合も含め、東京の「外」の創作力がこの番組の主役になりつつある。
※「批評」はBARS.編集部の見解です。
その後 — 系譜はつづく
この回の熱量と過去最多応募が、翌2026年の賞金1000万円への増額を後押ししたことは想像に難くない。Pxrge Trxxxperは優勝後、THE FIRST TAKE出演、POP YOURS 2026出演と露出を重ね、2026年5月にはOVER KILL全面プロデュースの1stアルバム『REVERSAL』を発表。客演にはJin Dogg、Benjazzy、Leon Fanourakis——シーズン2王者の名前もあった。
STARZ 2025のラインナップにWatsonがいたことも書き残しておきたい。2021年の動画審査で落ちた男が、4年後、ゲストライブ側でこの番組のアリーナに立った。落選者の凱旋まで含めて、この番組の物語は循環している。
RAPSTAR 2025 王者
Pxrge Trxxxper
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出場者名鑑 — あの回に出てた人は、いま
Masato Hayashi
2位
ファイナリスト最年長の33歳。決勝関連曲「HIROYUKI」を2026年1月に配信リリースした。
Sonsi
3位
鹿児島出身。決勝で存在感を示した20歳の今後は、この番組の「その後」の物語の次の章になる。
VERRY SMoL
ファイナリスト
ファイナリスト最年少の17歳。次の大会の年齢すら下回る出場者が決勝に立った。
sh1t
ファイナリスト
大阪出身の21歳。HOOD STAGEをトップ通過組で駆け抜けた。