RAPSTAR ARCHIVE — SEASON 7
RAPSTAR
2024
「今年をKJの年にする」と宣言してから優勝しに来た長崎の作家が、ラッパー像そのものを更新した回。
王者
Kohjiya
Rep
長崎
応募
5,785人(当時過去最多)
決勝
2024年6月29日
会場
幕張メッセ 展示ホール5-6(番組初の主催フェス「STARZ」内)
宣言→有言実行。
大会の流れ — 応募から決勝まで
応募
応募総数5,785人は当時のシリーズ過去最多。第1回の228名から7年で約25倍になった。課題ビートはChaki Zulu、Homunculu$、JIGG、KM、Lil'Yukichi、VaVaらが提供。
SELECTION CYPHER / HOOD STAGE
動画審査の通過者がサイファー審査を経て、地元密着のHOOD STAGEには8名が進出した。
RAPSTAR CAMP
24時間以内に新曲を作る1対1のバトル。Charlu vs Kohjiyaの直接対決はKohjiyaが制した。
敗者復活
CAMPでKohjiyaに敗れたCharluが敗者復活で決勝へ。この采配が決勝の物語を作ることになる。
FINAL STAGE
6月29日、幕張メッセ。番組初の主催ヒップホップフェス「STARZ」のトリとして決勝が行われ、¥ellow Bucks、LEX、Creepy Nutsら歴代出場者・審査員もライブ出演した。
記録 — 何が起きたか
決勝は2024年6月29日、幕張メッセ展示ホール5-6。番組が初めて主催したヒップホップフェス「STARZ」の最後を飾るFINAL STAGEとして開催された。オーディション番組の決勝が、そのままフェスのヘッドライナーになる——番組の規模がテレビ画面を超えた最初の年だ。ファイナリストはD3adStock(23歳・東京)、Kohjiya(21歳・長崎)、Carz(23歳・神奈川)、Hezron(21歳・神奈川)、そして敗者復活のCharlu(29歳・東京)の5名。審査員はSEEDA、R-指定、ralph、LEX、¥ellow Bucks、ZOT on the WAVEという布陣だった。
優勝したのは長崎・麹屋町(こうじやまち)にルーツを持つKohjiya。2位にはCAMPで一度Kohjiyaに敗れ、敗者復活から返り咲いたCharluが入った。Kohjiyaは大会前の2024年2月に、「今年をKJの年にする」という決意を込めたミニアルバム『KJ SEASON』をすでに発表していた——宣言してから、そのとおりに優勝しに来たのだ。優勝後は「247 feat. SALU」を皮切りに、12月の『KJ SEASON 2』まで一気に駆け上がった。
- 放送
- 2024年4月13日〜、ABEMAで放送
- Judges
- SEEDA、R-指定、ralph、LEX、¥ellow Bucks、ZOT on the WAVE
- Finalists
- D3adStock、Kohjiya、Carz、Hezron、Charlu(敗者復活)
名場面 — この回を語るなら
Charlu vs Kohjiya、二度の対決
CAMPの1対1で敗れたCharluが敗者復活で決勝に戻り、最終結果は優勝Kohjiya・2位Charlu。同じ2人が頂点を挟んで二度ぶつかる構図は、翌年以降「敗者復活は本当に敗者なのか」という問いを番組に残した。
オーディションがフェスになった日
幕張メッセでの「STARZ」開催により、決勝は「番組の最終回」から「シーンの年中行事」に変わった。以降の決勝はすべてSTARZ内で行われている。
審査員6人のSPECIAL CYPHER
SEEDA、R-指定、ralph、LEX、¥ellow Bucks、ZOT on the WAVEのビートによるサイファーを審査員自身が披露。「審査する側も丸腰ではいない」という、この番組らしい緊張感の演出だった。
この回から生まれた楽曲
SPECIAL CYPHER — 審査員6名
Beat by ZOT on the WAVE。審査員自らマイクを回した映像が公式YouTubeで公開された。
247 feat. SALU — Kohjiya
優勝後初のリリース(2024年7月)。ここから『New Stars Swag』『KJ SEASON 2』まで、優勝イヤーの快進撃が続く。
批評 — シーンに何を残したか
Kohjiyaの優勝は「総合芸術家の勝利」だ。名前の由来である麹屋町を含め、出自・ビジュアル・映像・音像が一つの作品世界として設計されている。ラッパーとは楽曲の人である、という従来の定義に対し、この回の審査はYouTubeとショート動画の時代における音楽家の完成形——世界観ごと提示できる作家——を選んだ。しかも彼は大会前に『KJ SEASON』で「今年は自分の年だ」と宣言してから、その回収として優勝している。応募動画の水準が「曲が良い」から「世界が見える」へ引き上げられたことは間違いない。
審査員席にも歴史的な意味があった。¥ellow Bucks(シーズン3王者)とralph(2020王者)が並んで座る——歴代王者が次の王者を選ぶという構図がこの回で完全に定着した。オーディション番組が7年で「自前の生態系」を持ったということであり、これは日本の音楽オーディション史でもかなり珍しい達成だ。
そして落選者に目を向ければ、この回の豊かさはさらに際立つ。ファイナリストのD3adStockはもともとビートメイカーとしての顔も持つ作り手で、2年後の2026年、大会の公式ビートメイカー7人に名を連ねることになる。ラッパーとして勝てなかった者に、ビートの側の出口が用意されている——シーズン1のTohjiから続く「優勝以外の出口」の伝統が、ラッパー以外の職能にまで拡張された最初の例になった。
※「批評」はBARS.編集部の見解です。
その後 — 系譜はつづく
KohjiyaはBIM「DNA」への客演でTHE FIRST TAKEに立ち、STUTS「99 Steps」はポカリスエットのCM曲になった。オーディション出身者の到達点としては、番組史上最速のメインストリーム接続だと言っていい。2025年には初の全国ソロツアーを回り、STARZ 2025では前年王者として決勝の直前に場を温めた。
「STARZ」というフェスの発明と、D3adStockのビートメイカー転身。この回は「RAPSTAR出身」という経歴の意味を、最も多面的に更新した大会として記憶されるはずだ。
RAPSTAR 2024 王者
Kohjiya
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出場者名鑑 — あの回に出てた人は、いま
Charlu
2位(敗者復活)
29歳での挑戦だった。準優勝後は「My Basket」などのシングルを重ね、2025年12月にEP『After Dark』を発表。POP YOURSのステージにも立った。
Hezron
3位
神奈川出身、当時21歳。同世代のファイナリストの中で独自の音像を提示した。
D3adStock
ファイナリスト
2026年、RAPSTAR 2026の公式ビートメイカー陣に就任。出場者が番組のビートを作る側に回った、史上初の例になった。
Carz
ファイナリスト
神奈川出身、当時23歳。CAMPまで勝ち上がった実力者。